学校心理学―教師・スクールカウンセラー・保護者のチームによる心理教育的援助サービス
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定価 : ¥ 3,990
販売元 : 誠信書房
発売日 : 1999-11 |
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現場からの見た子どもの援助の本 |
この本には,二つのポイントがあるように思いました。一つは,個別指導・援助というアセスメントやカウンセリングのポイントです。これは,学校カウンセリング関係の本には必ず書かれているものです。ただ,従来の本と決定的に異なる点があります。それは,この個別指導・援助が,心理療法の理論・技法からの視点で書かれているのではなく,あくまでも「学校」という現場の視点で書かれているころです。今まで,学校カウンセリングを勉強するときは,いろいろな学派の本を何冊も読まなければ輪郭がつかめませんでしたが,この本を一冊読むことにより,学校現場での指導・援助について理解できるようになっています。
二点目のポイントは,「コーディネーション」,「援助チーム」,「援助サービスとしての!学校教育」というキーワードで代表されるような,組織・体制づくり,学校の中での連携について述べられているという点です。従来,こうした領域について,踏み込んだ議論がなされることは少なかったのではないかと思います。しかし,実際の子どもの援助は,教師や養護教諭,カウンセラーが1人でやるわけではありません。他の先生,保護者,学校外の相談機関,医療機関など様々なキーパーソンとの連携が必要不可欠です。こうした意味でこの本は参考になると思います。
以上のように,この本は,個別援助から組織作りまでの学校カウンセリングの流れを,カウンセリングの個別理論・技法の視点からではなく,現場の視点で書かれた貴重な本であるといえます。この本と今まで学校カウンセリングの領域で蓄えられてき!た個別のカウンセリングの理論や技法の本を組み合わせて読むことにより,学校カウンセリングの全体像をつかむことができるのではないかと思います。筆者はそれを「学校心理学」という現場主義の学問領域を確立することにより,目指しているのではないかと思えました。