企業不祥事の心理学―ウソが許されない時代のリスク管理術
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定価 : ¥ 1,208
販売元 : PHP研究所
発売日 : 2002-12 |
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リスクマネジメントの要諦は企業人のウソを如何に管理するか |
日本には、元々「ウソも方便型のウソ」や「義理人情型のウソ」が幅を利かせており、これが、企業人にとって、村社会のもたれ合い構図から人間関係を円滑にし、居心地良くする都合の良い企業風土があった。しかし、IT革命や経済社会のグローバル化等によって、企業を取り巻く環境・パラダイムが大きく変わり、ウソに対する世間の見方が厳しくなり、ウソに伴う企業不祥事への対応如何によっては、企業の命運を制する時代となった。
ウソが許されない時代の企業不祥事については、ウソについて企業や個人が如何にそのリスクを管理するかが企業経営の要諦であり、その為に必要なウソのメカニズムやその時代背景を十分に把握する必要がある、との認識から説きおこしたリスク管理の指南書がこの本。ウソを6タイプに分けて、そのカラクリから対策まで、心理学者で精神神経科医である著者が、ウソを吐く人間心理を分析しており、実に豊かで面白い。
「内部告発」については、日本古来のオサ制度の崩壊、すなわち、企業トップの無責任体制等による企業共同体の崩壊により、社員の帰属意識が落ちて急増した背景など、和田理論の「シゾフレ人間」と「メランコ人間」に分けて分析している。企業と刺しちがえる覚悟の直情型の内部告発と、何でも暴露しようとのインターネット型の無責任内部告発との差の話など面白い。
和田説のユニークさは、性善説の日本では、性悪説のアメリカのように法や規則でガチガチに締め上げるのではなく、「失敗学」を積極的に検討し、失敗を許しチャレンジを促す環境を作って衡ないと、リスク管理だけでは企業は成長できないとする点である。
急がば回れ、ノウハウ物や管理学と云った実用本とはひと味違った、この様な人間の奥底にある心理分析から、リスク管理を学ぶのも有意義であろう。